Das-Association

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Richard Sinclair訪問旅行記5日目(最終日) in 2019

前回のあらすじ:Fish & Chips, Love & Peace

 

2020年1月2日

午前10:00にリチャードが,前日会った友人の1人とともに車で迎えに来てくれました.

実は昨日調べたところ,マルティーナ・フランカからバーリ駅に行く列車が運休になっているようでして.今日中にローマに着かないと日本に帰れなくなってしまうため,畏れ多くもリチャードに送ってもらえないかお願いした次第だったのでした......

リチャードの車は調子が悪いのでバーリまで行きつけるか不安,ということで友達の車で送っていただくことに.

これは今回の旅の大きな反省点でした.

正直行くまでが不安すぎて帰りのことなんも考えてなかった.あとまあ行けば帰りはなんとかなるだろうと思っていたら,マジでマルティーナ・フランカのネット環境が悪すぎてWi-Fiルーターがあっても中々ネットにつなげられず……インターネットという文明の利器を活かせなかったのも予想外でした.冗談抜きで帰れないんじゃ,って前の日の夜は恐怖に震えました.リチャードが快諾してくれて本当によかった…….

今後日本に来た海外の人が困っていたら全力で親切にしよう,と誓ったかにょでした.

 

リチャードは助手席,私は後部座席で3人のドライブ.

この日もとてもいい天気でした.

初日にヴィンチェンゾに送ってもらったときは夜だったので景色がわからなかったのですが,こんなに美しかったんだなあとしみじみ眺めます.

リチャードもときどき景色の説明をしてくれました.オリーブ畑にさしかかったときは振り返って,「これがオリーブの木だ!」と教えてくれました.

 

RS:オリーブというのはとても神聖な木なんだ.2000年以上前からある木で,聖書にも登場する.とても重要な木なんだよ.

熱くオリーブについて語るリチャード.リチャードのオリーブへの愛は深い.

 

途中,ファザーノという街にさしかかりました.道路が崖の上にあるため眼下に街を見下ろせます.イタリアの景色は本当に綺麗で,何度見ても歓声をあげてしまいます.

私:凄い,とてもビューティフルですね!

RS:これが僕がイタリアに来た理由だよ.この景色なんだ.

 

運転するリチャードの友人が,わざわざ下道におりて街の中をドライブしてくれました.行きはこんな道は通らなかったはず.イタリア語がわからないので状況はよくわかりませんでしたが,きっと「少しでも街を見せてあげよう」という彼の心遣いだったのではないかと思います.優しい…….

 

が,大変申し訳ないことに,これで私は完全に酔いました.

 

道が悪すぎた.

こんなに揺れることってある?

街中の道路といえど,ちゃんと舗装されていないところが結構多くて……あと石畳だったりとか……足場の悪い山道走ってんのか?ってくらい揺れましたね.

よく2人は平気だったと思います(もとから私が乗り物酔いしやすいというのはあるけれど).

 

ファザーノの街を出るころには口を開けば何かが出てきそうなほど気持ち悪かったのですが,それを伝えるすべもなく,ただ後部座席でだんまりを決め込むだけになってしまいました.このことも大変後悔しています…….

 

時々リチャードがこちらの様子を気にして,振り返って話しかけてくれます.これからの音楽活動についての話も少しだけしてくれました.

RS:僕のトゥルーロの隣のトゥルーロは今空き家なんだよ.誰か僕の友達がそこを買ってくれたらいいんだけどなあ.そうしたら,その人のツテで他の友人たちもそこにたくさん呼んで,いつでも僕の音楽を共有できるようになるんだ.昨日きみも見たように,僕はいつも家で音楽をやっているんだ.それが僕のスタイルだから,それを他の人たちにも共有できるようになれたらいいなと思っているんだけれど……

 

日本の友人たちにもよろしくね,と念を押されます.

 

RS:日本にいる僕の友人たちによろしくね.特にきみの知り合いの人たちには.本当に日本の人たちにはお世話になっているんだ.くれぐれも僕からよろしく伝えておいてくれ.

 

本当に申し訳ないのですが,このときの私は吐き気をこらえるので精一杯だったため何を話しかけられても頷くことしかできませんでした.次からは三半規管を強くしてイタリアに臨みたいと思います.

 

有難いことに,高速に戻って平地を走るようになったためバーリ駅に着くころにはだいぶ落ち着いていました.

車を停めて駅に向かうリチャードとかにょ.

改札がないため,入り口を入ってしばらくのところで互いにお別れの言葉を述べます.

 

恥ずかしながらここでこの4日間抑えていた感情が一気に爆発し,リチャードの目の前で号泣しました.何やってんだ.

リチャードは私が別れを悲しんで泣いていると思ったようで,

「泣かないで~僕らまたいつでも会えるんだから(笑)!そんなに悲しまないで~!」

ってめっちゃ慰めてくれました.

後からやってきた友達にも「彼女,僕と別れるのが悲しくて泣いてるんだよ~」と微笑ましげに説明しています.

 

本当にすみませんでした.

ちなみに日本帰ってきてからもめっちゃ泣いた.

 

落ち着いたころに改めてお別れの言葉を交わします.

 

RS:日本に帰ったら,デイヴによろしくね!スチュワート&ガスキンの二人とコンタクトをとることがあったら,彼らにも僕からよろしくと伝えておいてね!

 

リチャードがそう言っていたのだけは覚えています.

その後リチャード,友人と最後の挨拶を交わし,バーリ駅のホームに降り立ちました.そして無事予定通りにローマ駅に着き,ホテルで一泊後早朝の便で日本に帰ってきたのでした…….

 

帰りは行きのようなトラブルは特になく,ローマ→広東→東京というルートで順当に帰国しました.ただ広東のトランジットの時間が9時間あって,Wi-Fiも使えんし空港の外にも出れんしで何もすることなかったのは地味にきつかったです(便さえあればこの間に日本帰れるじゃん,ってめっちゃ思った).

あと,正直,帰路はイタリアでの思い出を記憶にとどめておくのにいっぱいいっぱいだったのであんまり覚えてることがない.

 

一番の奇跡は,何度も言うようにイタリアに骨を埋めることなくちゃんと帰国できたことだと思います.偉い!(めっちゃ色んな人に迷惑かけてるけど)

 

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 以上でリチャード・シンクレア訪問旅行記は終了です.

いかがでしょうか?ここまで5日間の記録を読んでいただいた方々,誠にありがとうございます!楽しんでいただけていたら幸いです.

 

そして改めまして,明けましておめでとうございます!

お正月休みのなか,こんな個人のつらつら思い出話を読んでくださった皆様にたくさんの幸せが訪れますように……!

今年はもうちょっとブログの更新頻度を増やせるよう頑張ります.

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!